42.けい酸塩系表面含浸材を路面へ適用した場合の安全性
すべり抵抗試験(コンクリート舗装路面)まとめ
【けい酸塩系表面含浸材】を路面へ適用した場合の安全性
コンクリート表面への撥水性付与や塗膜形成を行わないので、コンクリート舗装路面の通行の安全性を阻害せずに長寿命化が期待できます
コンクリート舗装路面の表層部を【けい酸塩系表面含浸材】で緻密化することにより、コンクリートへの劣化因子(水分・塩化物イオン・二酸化炭素)の侵入を抑制できるのでコンクリート構造物の長寿命化が期待できます。
シラン系表面含浸材のようなコンクリート表面への撥水性付与、塗装材のような塗膜形成をすることはありません。コンクリート舗装路面を副作用なく改質(緻密化)するので、車両の通行の安全性を阻害せずに長寿命化が期待できます。
【けい酸塩系表面含浸材】の特徴まとめ
- コンクリート表層部を緻密化し、劣化因子の侵入を抑制します。
- 0.2 mm以下のひび割れを閉塞します。
- コンクリート表層部を副作用なく改質します。
- 他の補修工法に比べ手軽に施工できコストパフォーマンスもよいです。
- コンクリート表層部に含浸し、表面には残存しないので、浮き・剝がれとは無縁です。
【けい酸塩系表面含浸材】のコンクリート舗装路面への適用性まとめ
- すべり摩擦係数に悪影響を与えないので、車両の通行の安全性を阻害しない。
- コンクリート表面に塗膜を形成しないので、車両の通行により剝がれる恐れがない。
- 養生期間が短く、施工から早期に通行規制を解除できる。(L-OSMOシリーズは翌日解放可能)
すべり抵抗試験
当社の【けい酸塩系表面含浸材】である【L-OSMO】シリーズを用いたコンクリート版でのすべり抵抗試験で、【L-OSMO】シリーズがコンクリート舗装路面の通行の安全性を阻害しないことを確認しています
試験方法
コンクリート版を再現した試験体の打設後7、28日間経過後に【L-OSMO】シリーズを塗布し、塗布後14、18日間経過後にDFテスターを用いて動的摩擦係数の測定を行った。
すべり抵抗試験結果
固化型けい酸リチウム系表面含浸材【L-OSMO固化型KK】
【L-OSMO固化型KK】無塗布・塗布で動的摩擦係数に大きな差異は見られませんでした
反応型けい酸ナトリウム系表面含浸材【L-OSMO反応型XP】
【L-OSMO反応型XP】の無塗布・塗布で動的摩擦係数に大きな差異は見られませんでした
反応型けい酸塩混合型表面含浸材【L-OSMO反応型SG】
(けい酸リチウム・けい酸ナトリウム・けい酸カリウム配合)
【L-OSMO反応型SG】の無塗布・塗布で動的摩擦係数に大きな差異は見られませんでした
【L-OSMO】シリーズの無塗布・塗布で動的摩擦係数に大きな差異は見られませんでした。
本試験に用いたコンクリート舗装を想定し作成したコンクリート版は、【L-OSMO】シリーズの無塗布・塗布それぞれで路面新設時のすべり摩擦係数の評価値(案)(参考資料 表4)を満足していました。
【けい酸塩系表面含浸材】が、コンクリート舗装路面の通行の安全性を阻害することはないと思われます。
既設コンクリート構造物には【固化型けい酸塩系表面含浸材】、新設コンクリート構造物には【反応型けい酸塩系表面含浸材】をそれぞれ使い分けてインフラ長寿命化にお役立てくだい
※含浸しきらず表面に残存した薬剤の洗浄は必要です。
※施工要領の通り【L-OSMO】シリーズの塗布後は、高圧洗浄、デッキブラシ等で塗布面の残存薬剤を洗い流してください。
【参考資料】