反応型けい酸塩混合型表面含浸材の海水魚を用いた安全性の確認
水中生物を用いた安全性の確認試験(薬液滴下観察試験)
水中生物を用いた安全性の確認試験(薬液滴下観察試験)
1. 試験概要
反応型けい酸塩混合型表面含浸材施工の施工時に海に流失した余剰液、洗浄水が、水中生物に悪影響を与えないことを、水中生物(海水魚)用いた薬液滴下観察試験で確認した。
2. 試験材料
表面含浸材
反応型けい酸塩混合型表面含浸材:L-OSMO反応型SG(標準塗布量200 g/㎡)
(けい酸リチウム・けい酸ナトリウム・けい酸カリウム配合)
水中生物
海水魚:石垣島産デバスズメダイ 体長約1.5 cm
人工海水
ライブシーソルト(市販品)
主な成分:塩化ナトリウム・塩化マグネシウム・硫酸ナトリウム・塩化カルシウム
3. 試験方法
市販品(ライブシーソルト)を水に溶かし人工海水を作成した。
水槽に8 Lの人工海水を満たし、デバスズメダイを3匹入れた。1日間経過後、【L-OSMO反応型SG】を5倍に希釈した液体を霧吹きで適量水槽に滴下し様子を観察した。
4. 試験結果
①1日間経過後のデバスズメダイの状況
→異常なし、元気に泳いでいる
②1週間経過後のデバスズメダイの状況
→異常なし、元気に泳いでいる。
【L-OSMO反応型SG】による、海水魚(デバスズメダイ)への悪影響は確認されなかった。
試験に使用した薬剤の量は、実際の施工現場での洗浄水の濃度よりもはるかに濃いものであるので、環境に与える影響はさらに少ないと思われる。
※人工海水と【L-OSMO反応型SG】の反応生成物が発生した。
海水魚が餌と誤り、多くを食べてしまったが、異常は見られなかった。
写真9のように人口海水と【L-OSMO反応型SG】の反応水和物が浮遊したが、海水魚はこれも餌と誤り、多くを食べてしまったが異常は出なかった。
【L-OSMO反応型SG】の主成分であるシリカ(SiO2)は主要な植物プランクトンである珪藻に必須の成分でもある上、シリカ以外の成分量は、成分組成に影響を及ぼすような量ではなく、本試験の通り、反応水和物は生物に食されるか、沈殿し、生物相に利用されるものと考えられる。【L-OSMO反応型SG】の施工中の噴霧液が海水中に滴下・拡散した場合も同様に、海水面に白濁・反応水和物が発生するが、海水及び海洋生物に及ぼす悪影響はないと思われる。
※施工要領の通り【L-OSMO】シリーズ施工の際は、仮設養生し余剰液・洗浄水の流出防止対策をお願いします。