反応型けい酸塩混合型表面含浸材の淡水魚を用いた安全性の確認
水中生物を用いた安全性の確認試験(薬液滴下観察試験)
水中生物を用いた安全性の確認試験(薬液滴下観察試験)
1. 試験概要
反応型けい酸塩混合型表面含浸材施工の施工時に河川等に流失した余剰液、洗浄水が、水中生物に悪影響を与えないことを、水中生物(淡水魚)用いた薬液滴下観察試験で確認した。
2. 試験材料
表面含浸材
反応型けい酸塩混合型表面含浸材:L-OSMO反応型SG(標準塗布量200 g/㎡)
(けい酸リチウム・けい酸ナトリウム・けい酸カリウム配合)
水中生物
淡水魚:金魚
3. 試験方法
試験は2種類行った。
【試験1】原液(20 mL×3回)
水槽に3 Lの水道水を満たし、金魚を2匹入れ少し時間を経過させ馴染ませたところで【L-OSMO反応型SG】を20 mLずつ加え様子を観察した。
【試験2】原液(15 mL×1回)
水槽に3 Lの水道水を満たし、金魚を2匹入れ少し時間を経過させ馴染ませたところで【L-OSMO反応型SG】を15 mL加え様子を観察した。
4. 試験結果
【試験1】原液(20 mL×3回)
試験開始時状況:水温22 ℃、pH 8.3
①【L-OSMO反応型SG】20 mL滴下後の金魚の状況(混入割合 0.67 %)
→異常なし、元気に泳いでいる。
②5分間経過後、【L-OSMO反応型SG】20 mL追加滴下後の金魚の状況(混入割合 1.33 %)
→異常なし、元気に泳いでいる。
③5分間経過後、【L-OSMO反応型SG】20 mL追加滴下後の金魚の状況(混入割合 2.00%)
→やや元気が無くなるが、普通に泳いでいる。
【試験2】原液(15 mL×1回)
試験開始時状況:水温21 ℃、pH 8.3
①【L-OSMO反応型SG】15 mL滴下後の3日間経過後の金魚の状況(混入割合 0.5%)
→異常なし、元気に泳いでいる。pH 9.7
【L-OSMO反応型SG】による、淡水魚(金魚)への悪影響は確認されなかった。
【試験1】の【L-OSMO反応型SG】の滴下量は、1.0 m四方、水深0.3 mの水量と仮定した場合、6,000 mL相当。【試験2】の【L-OSMO反応型SG】の滴下量は、1.0 m四方、水深0.3 mの水量と仮定した場合、1,500 mL相当となる。
【L-OSMO反応型SG】の標準塗布量は1.0 m2あたり200 gである。
標準塗布量に対して【試験1】は約30倍、【試験2】では約7.5倍に相当する量の薬剤を滴下したことになる。実施工ではこのような量の余剰液、洗浄水が河川等に流出することは有り得ないため、河川等の水中生物への悪影響は無いと思われる。
※施工要領の通り【L-OSMO】シリーズ施工の際は、仮設養生し余剰液・洗浄水の流出防止対策をお願いします。