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16.けい酸塩系表面含浸材による無機系被覆材の品質向上
ポリマーセメントモルタルでの透水量試験

ポリマーセメントモルタルでの透水量試験

1. 試験概要

けい酸塩系表面含浸材が無機系被覆材を緻密化することを、ポリマーセメントモルタルでの透水量試験により確認した。


 


2. 試験体

基板


コンクリート基板 普通ポルドランドセメント使用


配合:水セメント比(W/C)= 45 %


寸法:角柱300×300×60 mm


 


表面含浸材


固化型けい酸リチウム系表面含浸材  :L-OSMO固化型KK(標準塗布量300 g/㎡)


反応型けい酸ナトリウム系表面含浸材 :L-OSMO反応型XP(標準塗布量400 g/㎡)



 


ポリマーセメントモルタル


A社ポリマーセメントモルタル :水利施設補修用


B社ポリマーセメントモルタル :土木用


プライマー :メーカー推奨品を使用


 


3. 試験方法

基板にポリマーセメントモルタルを10 mm厚で打設し28日間養生後、ポリマーセメントモルタルの表面に【L-OSMO固化型KK】と【L-OSMO反応型XP】をそれぞれ標準量塗布し試験面とした。


【L-OSMOシリーズ】塗布後28日間経過後、透水量試験器を貼付け、注水後試験を開始した。JSCE-K 572に準じて7日間経過後の透水量を無塗布試験体、塗布試験体で比較し透水抑制率を算出した。


 


※試験は2回実施した。


1回目試験については、一部の試験体で透水量試験中に漏水があったので透水量試験器を取り外した後、試験体を9日間重量変化がなくなるまで乾燥させた上で、再度透水量試験器を貼付け透水量試験を実施した。


2回目試験では、漏水は発生しなかった。


 



 


4. 試験結果

7日間経過後の透水量を表1、2に示す。


 




 


【けい酸塩系表面含浸材】塗布によるポリマーセメントモルタルの遮水性向上により、緻密化が確認された。


固化型けい酸塩系表面含浸材の方が、良好な結果を得られた。


ポリマーセメントモルタルは普通ポルトランドセメントと比べ、水酸化カルシウムの量が少ないので、反応型けい酸塩系表面含浸材よりも固化型けい酸塩系表面含浸材の方が高い改質効果を得られたと思われる。


固化型けい酸塩系表面含浸材の主成分であるけい酸リチウムの乾燥により生成される難溶性固化物が、ポリマーセメントモルタルの表層部を緻密化したと思われる。


 


5. 参考【土木学会規準JSCE-K 572透水量試験データ】

普通ポルトランドセメント基板での透水量試験結果


・L-OSMO固化型KK:透水抑制率71 %


・L-OSMO反応型XP:透水抑制率82 %


 


※本試験結果をもって全てのポリマーセメントモルタルでの品質向上を保証するものではありません。


 


 


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