平成24年7月に土木学会から、けい酸塩系表面含浸工法の設計施工指針(案)(コンクリートライブラリー137)が刊行されました。指針(案)では、現場での薬剤の希釈を認めず、原液での塗付が求められました。また使用量も容量(ml)ではなく重量(g)で表示することになりました。上記指針(案)の制定にともない、使用量、荷姿を下記のように変更させていただきます。
(現行) | 1m2当たり | 2倍希釈液100mlを2回塗布 | 計200ml(原液100ml) |
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(改定) | 1m2当たり | 原液100gを2回塗布 | 計 原液200g |
(現行) | 16ℓ(20㎏) 4ℓ(5㎏) |
160m2施工可能 40m2施工可能 |
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(改定) | 20㎏ 10㎏ |
100m2施工可能 50m2施工可能 |
尚、1m2当たりに使用する薬剤の成分量、性能に全く変更はございません。現場で希釈できなくなった為、区切りの良い使用量になるように製造過程で水分量を調整致しました。
ご不便ご迷惑をお掛け致しますが、ご理解賜りますよう宜しくお願い申し上げます。尚、現行のOsmoに関しましては、従来通りの施工方法でご使用いただきまして問題ございません。現行の製品に関しましては充分な在庫を用意しています。すでに技術提案にご採用いただきました皆様にはご変更いただくことはございません。ご不明の点につきましては弊社にお問い合わせください。
設計単価の変更
Osmoの材料費を3,100円/m2から2,000円/m2に変更しました。材工共の単価は従来通り3,500円/m2です。
Osmo2倍希釈タイプは在庫が僅かとなりました。在庫が無くなり次第販売を終了いたします。ご迷惑をお掛け致しますが、何卒ご了承いただけますようお願い申し上げます。今後は製造過程で水分量を調整しました(希釈済み)「Osmo 原液タイプ」をご使用ください。
高度成長期に大量に造られたコンクリート構造物の維持管理が重要課題となっています。新設、既設にかかわらず構造物の耐用年数をより長くする様々な工法が採用されています。その中でけい酸塩系表面含浸材は施工性の高さ、経済性から急激に施工例が増加しています。
平成24年7月にけい酸塩系表面含浸工法の設計施工指針(案)コンクリートライブラリー137が土木学会より刊行されました。指針(案)は主成分によりけい酸リチウム系、けい酸塩混合型、けい酸ナトリウム系、けい酸カリウム系に分類されました。また改質機構により固化型と反応型に分類されました。
弊社ではけい酸ナトリウム系・反応型のO s m o -x p(新設・断面修復後特化型)、けい酸リチウム系・固化型のOsmo-kk(既設特化型・中性化が進行している構造物用)のけい酸塩系表面含浸材も取り揃えています。
新設、および断面修復後のコンクリート構造物および既設構造物の耐久性向上にお使いください。
Osmoは湿潤状態(目視状況:全体に濡れ色が残っている状態 指触状況:わずかに指が湿る程度:含水率約7%)で原液100g/m2を2回塗布(計200g/m2)してください。(使い切り)噴霧、刷毛、ローラーで塗布してください。
「けい酸塩系表面含浸工法の設計施工指針(案)」コンクリートライブラリー137では直接試験による性能確認が義務付けられました。施工後28日以上経過した後実施するものとされました(69頁)。現場において実施する透水量試験を最も信頼性の高い方法として推奨しています。弊社の現場透水量試験器(NETIS HK-120006-A(掲載終了技術) 実用新案登録3172025・3172498号)壁面用、水平部用、天井面用をご活用ください。
コンクリート表面に塗布したOsmoはコンクリート表層部の空げき、微細クラックから内部に浸透します。そしてコンクリート中の水酸化カルシウムと反応して、セメント水和物に組成の近いC-S-Hゲルを生成し、コンクリート表層部を緻密化します。緻密化することにより外部からの水、炭酸ガス等の劣化要因の侵入を抑制しコンクリートの耐久性を向上させます。
Osmoは反応型けい酸塩系表面含浸材です。コンクリート中に残存している未反応の薬剤は水分が供給されると再度溶解し、水酸化カルシウムと反応します。水酸化カルシウムとの反応を繰り返すことにより、長期的に空げきを充てんすることができます(再反応性)。また反応型ではありますが、成分にけい酸リチウムを配合する事により固化型の性質を併せ持ち、限定的ではありますが中性化の進行した既設構造物にも性能を発揮します。
二酸化炭素濃度5%にした中性化槽内で2週間中性化を促進させた供試体を用いて、JSCE-K572-2012透水量試験に準拠した試験の結果、透水抑制率は32.9%です。(中性化が進行しているが、断面修復が必要ではない状況のコンクリート構造物にはOsmo-kk[固化型]が有効です。)
Osmoを単独で使用できる範囲は潜伏期(外観上の変状が見られず、鋼材のかぶり位置における塩化物イオン濃度が腐食発生限界濃度(1. 2kg/m
アルカリシリカ反応による膨張抑制を目的としたけい酸塩系表面含浸材の利用はコンクリートライブラリー137の適用対象としていません(16頁)。
水酸化カルシウムとの反応性を確認。
溶解させた乾燥固形成分が水酸化カルシウムとの反応性を有していること(反応型であること)を確認した。
ひび割れ透水比 12%(抑制率 88%)
透水量試験
透水比 38%(抑制率 62%)
加圧透水性試験
加圧透水比 83%(抑制率 17%)
吸水率試験
吸水比 82%(抑制率 18%)
中性化に対する抵抗性試験
中性化深さ比 76%(抑制率 24%)
塩化物イオン浸透に対する抵抗性試験
塩化物イオン浸透深さ比 75% (抑制率 25%)
スケーリングに対する抵抗性試験
質量損失比 57%(抑制率 43%)
凍結融解に対する抵抗性試験を実施し、1200サイクルまでの健全性を確認しています。
電気泳動法による試験を実施し、性能を確認しています。
二酸化炭素濃度5%にした中性化槽内で2週間中性化を促進させた供試体を用いて、JSCE-K572-2012透水量試験に準拠した試験の結果、透水抑制率は32.9%です。
Osmoは浸透して表面に残りませんので、付着力に影響を与えません。わずかに濡れ色を呈する状態になるだけです。
引張強度測定結果(N/mm2)
アクリル系 (エマルジョン) |
破断箇所 | アクリル系(複層) | 破断箇所 | ウレタン系 | 破断箇所 | |
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無塗布 | 2.7 | B | 2.2 | C | 3.3 | A |
Osmo | 2.7 | C | 2.2 | C | 3.2 | A |
[破断箇所による分類]
A:基板破壊 B:基板と塗膜の界面破断 C:塗膜内の凝集破断 D:ジグと塗膜の界面破断
すべてのものに対する付着性能を保証するものではありません。事前に試験をお願いいたします。
DFテスター(舗装路面などの滑り抵抗を測定する機材)によりOsmoを塗布したものと無塗布のものとの数値に変化がないことを確認しています。
測定結果
塗布\速度(km/h) | 20 | 40 | 60 | |
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無塗布 | ① | 0.62 | 0.61 | 0.62 |
② | 0.54 | 0.53 | 0.53 | |
③ | 0.59 | 0.55 | 0.56 | |
OSMO塗布 | ① | 0.56 | 0.53 | 0.54 |
② | 0.60 | 0.59 | 0.61 | |
③ | 0.60 | 0.58 | 0.60 |
※参考表 日本道路協会 湿潤路面、路面温度35℃
定義 | すべり摩擦係数 | 測定速度 |
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一般国道等 | 0.40 | 一般国道60km/h |
一般部 | ||
危険性の 高い箇所 |
0.45 | |
高速国道 | 0.35 | 高速国道80km/h |
作業時の排出液や施工した後の構造物から有害物質が溶出することはありません。
①仮設養生 | 前処理や素地調整に伴って発生するコンクリート殻、粉じん及び洗浄水に対して、またOsmoが施工箇所周辺に飛散や汚染の恐れがある場合にはしっかりと養生してください。周辺のガラスや金属に付着しますと固結して取れなくなることがあります。 |
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②前処理 | ひび割れ注入や著しい凹凸の平滑処理、劣化因子を含有した部分および脆弱部分の除去、除去された部分の断面修復を行います。 |
③素地調整 | コンクリート表面のレイタンスや剥離剤をブラスト処理や電動工具等で除去、あるいは高圧洗浄により清掃するなど、Osmoの含浸を阻害する物質を除去してください。 |
④一次散水 | 施工面に適切な量(目視状況:全体に濡れ色が残っている状態 指触状況:わずかに指が湿る程度:含水率約7%:湿潤状態)の水(水道水)を散水します。 |
⑤一次塗布 | 湿潤状態でOsmo原液1m2当り100gを低圧噴霧・ローラー・刷毛等で均等に塗布します。(原液を容器のままよく混ぜること) |
⑥二次散水 | 塗布後は30分程度、湿潤状態(目視状況:全体に濡れ色が残っている状態 指触状況:わずかに指が湿る程度:含水率約7%)を保つため散水(水道水)をしてください。 |
⑦二次塗布 | 湿潤状態でOsmo原液1m2当り100gを低圧噴霧・ローラー・刷毛等で均等に塗布します。(原液を容器のままよく混ぜること) |
⑧洗浄 | 二次塗布後は30~45分間程度散水養生を行います。その後、高圧洗浄等で塗布面の残存薬剤を洗い流してください。 |
⑨施工完了時の確認 | 周辺のガラス・金属に薬剤が付着している場合にはただちに流水で洗い流してください。 |
施工要領PDFダウンロード ※施工ビデオをご参照ください
Osmoは5~40℃の直射日光を避けた環境で保管をお願いします。
タフテナー 10kg[ 50m2施工可能] |
タフテナー 20kg[ 100m2施工可能] |
※実際の施工の際にはロス率を勘案してください。
(施工ロス率:上向き:15% 横向き:10% 下向き:5%)
原液100g/m2を2回塗布(計200g/m2)
色(薬剤):無色透明
密度(比重):1.100~1.180g/cm3
pH:12.0~12.8
用途 | 新設・既設 総合型 |
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種類 | けい酸塩混合型・反応型 |
乾燥固形分率 | 16.2% |
乾燥固形分量 | 32g/m2 |
密度(比重) | 1.100~1.180g/cm3 |
pH値 | 12.0~12.8 |
色(薬剤) | 無色透明 |
含浸深さ(※1) | 6mm |
中性化深さ比 | 76%(抑制率 24%) |
塩化物イオン浸透深さ比 | 75%(抑制率 25%) |
透水比 | 38%(抑制率 62%) |
吸水比 | 82%(抑制率 18%) |
質量損失比(スケーリングに対する抵抗性試験) | 57%(抑制率 43%) |
ひび割れ透水比 | 12%(抑制率 88%) |
加圧透水比 | 83%(抑制率 17%) |
NETIS | HK-070015-V(掲載終了技術) |
中性化したコンクリートでの透水比(※2) | 67%(抑制率 33%) |
施工後外観状況 | わずかに濡れ色を呈する程度の変化 |
塗布量(原液) | 200g/m2 |
施工ロス率 | 上向き:15% 横向き:10% 下向き:5% |
塗布対象状況 | 湿潤状態(目視状況:全体に濡れ色が残っている状態 指触状況:わずかに指が湿る程度:含水率約7%) |
安全性 | 有害物質を検出せず |
注意事項 | 強アルカリ性 |
保管 | 5~40℃の直射日光を避けた環境 |
設計価格(材料) | 2,000円/m2 |
設計価格(材工共) | 3,500円/m2 |
特許 | 特許第4484872号 |
※1 含浸深さは試験方法が定められました。以前、公表している数字とは異なります。
※2 二酸化炭素濃度5%にした中性化槽内で2週間中性化を促進させた供試体を用いて、JSCE-K572-2012透水量試験に準拠した試験結果です。
参考 透湿度試験:JSCE-K572-2012において透湿度試験の方法が定められておりません。けい酸塩系表面含浸材はその性質上、透湿度試験に関して問題がないためだと思われます。
Osmoの付着力試験 [PDF] |
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Osmoの付着力試験 [PDF] |
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Osmoの付着力試験 [PDF] |
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コンクリート打ち継ぎ供試体の |
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Osmoの透水試験 [PDF] |
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Osmoの透水試験 [PDF] |
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Osmo塗布液滴下観察結果 [PDF] |
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Osmo希釈液(洗浄液)滴下観察結果 [PDF] |
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